夏の災厄/篠田節子著【パンデミック】
パンデミックもの
夏の災厄 篠田節子著
人口86,000人の埼玉県昭川市で、奇妙な症状を持つ患者が現れ始める。
光に対し異常に敏感になり、花の匂いがすると言う。
その後、患者たちは死亡または重大な後遺症に苦しむことになる。
患者からは日本脳炎のウイルスが検出されるが・・・・・・
ストーリーは昭川市保険センターの職員:小西と保健センターの夜間救急診療所に勤める看護師:堂元房代、市民生協が母体の旭診療所に勤める鵜川医師を中心に進んでいく。
死を免れても重い後遺症を残す病気に怯える市民と、行政としてすべきことをしているのに、患者が減らないことに焦る保健センター職員たち、ウイルスは人為的に開発されたのではないかと疑う鵜川医師。
”なんとかしなくては”と焦る善良な小市民:小西君と、地方を積極的に守る気がない中央の役人の姿が対照的でした。
ネタバレが嫌だからこれ以上書かないが、古い作品だが今読んでも違和感がない。
それどころか、ワクチンに関しては新型コロナが流行っている今の状況を先読みしている。
作中で、遺伝子操作によって作られる”バイオワクチン”のことが出てくるのだが、新型コロナウィルスのワクチンも同じ製造方法なのだろうか?
ワクチンの集団接種が必要なのは分かっているが、副反応のことを考えると怖い。
パンデミック小説がお好きなかたにおすすめな作品です。