デビルドッグ アメリカ海兵隊日本人伍長のイラク戦記/越前谷 儀仁著
デビルドッグ アメリカ海兵隊日本人伍長のイラク戦記/越前谷 儀仁(えちぜんや よしひと)著
本書を読んだきっかけは「どうやって日本人がアメリカの軍隊に入るの?」と疑問を持ったからだった。
答えは本書に書いてあるのだが、著者である越前谷さんはグリーンカード(永住権)の抽選に当選し、アメリカへ渡り海兵隊の募集事務所で申し込みをしたからなんだけど、それが自分には衝撃だった。
他国の軍隊入りたいからと、永住権を取ってまで入隊する人がいることに本当に驚いた。
海兵隊募集事務所の先任軍曹も、入隊申し込みまでの経緯を聞いて「マジで正気か?それは確かなのか?」を何度も連発したと書いてあるから、珍しいケースなんだろう。
本書の構成は以下の通り。
はじめに
序 章 激戦の地ファルージャ
第一章 陸上自衛隊に入隊
第二章 アメリカ軍に入る夢
第三章 地獄のブーツ・キャンプ
第四章 52日間の歩兵訓練
第五章 1回目のイラク派遣(バビロン)
第七章 名誉除隊
おわりに
本書を読んで、個人的に衝撃だったことを少し書きたいと思う。
汚い話(トイレ関係)だと思うので、苦手な方は読まないで欲しい。
著者がブーツ・キャンプにいるころの話。
同室の志願兵が便所に行きたいと言ったが、ドリルインスタラクターに「ノー」と言われてしまう。
その志願兵は我慢できずに命令無視しトイレに駆け込む。
その志願兵は糞まみれの状態で、ドリルインストラクターにトイレから引きずり出されたとのこと。
やっぱり「命令は絶対」ということを心身に刻み込むためなのか、たとえ排泄衝動でも許されない厳しい世界なんだと思い知らされた。
あとは戦地でのトイレ事情について、本書から引用させてもらう。
”便所小屋はツーバイフォー(2✕4)やフォーバイフォー(4✕4)の角材と、ベニヤ板を組み合わせて作られたもので、もちろん水洗ではない。段になったベニヤの床板の中央に穴が開いていて、そこに座って用を足す。穴の下には半分に切ったドラム缶が置かれていて、そこに溜める。ドラム缶にはあらかじめガソリンが少し入っている。これはハエを寄せつけないためと、一杯になったら火をつけて燃やすためだ。”
このトイレは2回めの派遣時には改善されていて、一人用のテントの中にキャンプ用の便器が置かれいて、便器にビニール袋を被せて使用し、凝固剤で固めてビニール袋ごと捨てるという、災害用トイレみたいになっていたらしい。
ちなみに小のほうは、1.5メートルくらいの鉄パイプを地面に突き刺し、その鉄パイプに空いている穴に小便をする仕組み。
ハエがすごいと本書に書いてあった。
本書は目次に書いてあるように、著者が海兵隊に入るまでのはなし、入隊後の訓練のはなし、イラク派遣のはなしが書いてある。
イラク戦争関係の動画をリンクしておく。
ちなみにブーツ・キャンプの動画は、めちゃくちゃYouTubeあったので、興味のある方は検索して下さい。