【読書】自民党と戦後史/小林英夫著
自民党と戦後史/小林英夫著 2014年発行
本書の目次
はじめに
プロローグ 戦後政治の概観と自民党
第一章 戦後民主化と政党活動の開始
第二章 自民党の誕生
第三章 高度経済成長の準備と安保闘争
第四章 高度経済成長の時代
第五章 安定成長への模索と田中支配
第六章 自民党の衰退、下野
第七章 55年体制の崩壊
第八章 野党から再び与党へ
おわりに
タイトルと目次から分かるように自民党について書かれている本。
第八章にちょっとだけ民主党のことが書かれている。
本書を読んだ理由は「自分の国の政党のことなんにも知らないな」と思い、反省したこと。
政治ジャーナリストや物書きをしている方たちが、ラジオやネットなどで昭和・平成の政治の話をしていても分からないことが多かったが、この本のおかげで少しは理解できるようになった。
本書は戦後すぐの東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)内閣から、第二次安倍政権までの政治を231ページ(単行本)という限られたページ数で記してあるため、特定の誰かや何かを深く掘り下げるということはしていないが、歴代首相や自民党のことを網羅的に知ることができると思う。
クリーン三木と言われた理由や、田中角栄による自民党支配、中曽根政権時の日米半導体協定の締結による影響とか、初めて知ることが多かった。
あと読んでて感じたのが、満州人脈と官僚出身(岸信介・池田隼人・佐藤英作・宮沢喜一・中曽根康弘など)の首相の多さと、世襲議員が多いこと。
自民党は与党のイメージが強いけれど、2回下野していて、そのことについても書かれている。
一回目は1993年の細川連立政権誕生時、二回目は民主党政権の時。
与党の座を奪われても、取り返すことが出来るのはやっぱり”党”としての力が強いからなのかな。
本書は第二次安倍政権が始まって1年経過した頃に発売された本なので、スガ政権のことは記されていないが、やっぱりこれからも自民党による国政がずっと続いていくのだろうか。