猫と英語と後鼻漏

中学英語から独学で学び、現在、英検1級挑戦中。テキストの紹介や後鼻漏の話などをしています。読書や映画の話なども。

【雑感】核攻撃について 2【読書】

核攻撃について2

eigotokoubirou.hatenablog.com

ミサイル攻撃について知ったあと気になったのが「弾道ミサイルって防げるの?」ということだった。

そこで家族に「弾道ミサイルの迎撃って出来るの?」と質問したところ”兵器のギモン100 白石光/大久保義信/坂本明/おちあい熊一ほか著”という本を渡される。

読んでみると、技術的には弾道ミサイルの迎撃は可能ということが分かる。

 

以下の方法で迎撃するらしい。

まずミサイルが発射されたことを、早期警戒衛星や早期警戒管制機で探知し、情報を伝達する。


迎撃方法①弾道ミサイルが上昇中のブースト段階であれば、航空機搭載レーダーを照射し自爆を促す(アメリカではこの研究が2011年に縮小)

(KEI(運動エネルギー迎撃弾)によって弾道ミサイルを直撃して破壊する方法も研究されているらしい。)


迎撃方法②弾道ミサイルが宇宙空間を慣性飛行している状態の時に、イージス艦や地上基地から迎撃弾を発射し迎撃。


迎撃方法③弾道ミサイルが大気圏再突入を開始した段階で、PAC3(地対空誘導弾パトリオットミサイル)やTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)によって迎撃。

よくニュースで話題になるのは②と③のやり方だったと思う。


迎撃は出来るが、飽和攻撃をされたら完全なミサイル防衛は不可能のようだ。

(ちなみに今では戦略弾道ミサイル1基で核弾頭10発あまりをを搭載でき、複数の目標に核攻撃ができるらしい)


「だから”核の傘”が必要なんだ」という言葉を思い出す。

核の傘”については、またいつかしらべようと思う。

 

参考にした本

兵器のギモン100 白石光/大久保義信/坂本明/おちあい熊一ほか著

弾道ミサイル防衛に関する動画

リンク先:Nuclear Threat Initiativeさんの動画 

www.youtube.com

【読書】アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか/多谷千香子著【タリバン】【対テロ戦争】

アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか/多谷千香子著

タリバン政権崩壊から15年ー内戦の瀬戸際に至ったのは何故か?”

”隣国パキスタンアフガニスタンとの関係を解き明かしながら、対テロ戦争をめぐる誤算、地域の今後を丹念に分析する”

本の帯より引用

2016年発行の本書は、タイトル通りタリバンが復活した背景について書かれている。

本書の構成

第Ⅰ部 アフガン・対テロ戦争の開始

第Ⅱ部 オサマ・ビンラディンとアルカイーダ

第Ⅲ部 パキスタンアフガニスタン

第Ⅳ部 タリバンの出現と復活

第Ⅴ部 破綻国家化するパキスタン

第Ⅵ部 危機の中のアフガニスタン


第Ⅰ部には9.11テロ事件からアフガン・対テロ戦争に至るまでの経緯と、戦争の開始、米軍による初戦の躓きなどが記されている。

・日本人一名が犠牲になったテロ攻撃計画”ボジンカ計画”の予行演習について

・9.11テロ実行犯の選定や9.11テロ事件を防ぐことが出来たであろうチャンスについて

・9.11テロ事件後にアメリカはアフガン・対テロ戦争を開始したのだが、その戦争の法的性格について

・アフガン・対テロ戦争の初戦(トラボラ作戦やアナコンダ作戦など)の失敗について(アメリカの思惑通りにことが進まなかった理由など)


第Ⅱ部にはオサマ・ビンラディンとアルカイーダの創設についてなどが記されている。

・オサマ・ビンラディンについて

・アルカイーダ創設の動機について

・オサマ・ビンラディンの動きについて(アフガン戦争後、サウジアラビアに帰国。そしてスーダンに行き、再度アフガニスタンに向かう)

・9.11テロ事件前のオサマ・ビンラディンの身柄引き渡しのチャンスについて

アメリカの石油会社ユノカル案件について

・オサマ・ビンラディンによるアメリカへのテロ事件(9.11テロ事件前)について(米艦コール爆破事件など)

・オサマ・ビンラディンに関するタリバン政権の苦悩について

北部同盟のリーダー軍司令官マスードの暗殺について

・オサマ・ビンラディンの暗殺について(隠れ家の発見と襲撃)

パキスタンの思惑について


内容が濃すぎて第Ⅲ部以降については書かないが、本書1冊読むことで9.11テロ事件やタリバンについて伝えるニュースが少し分かるようになった。

本書のタイトルにある”タリバンはなぜ復活したのか”なのだが、すごく単純に言うとアメリカに攻撃された時にタリバンは隣国パキスタンの部族地域に逃げて、その後、体勢を整え2006年夏に猛攻を仕掛けることに成功したから。

詳しくは本書の第Ⅳ部”タリバンの出現と復活”を読んで欲しい。

 

9・11テロ事件を知ろうとすると、オサマ・ビンラディンとアルカイーダについて書かれている本を読まなきゃいけないし、オサマ・ビンラディンがなぜアフガニスタンにいたのかを知ろうとするとアフガン戦争のことについて書かれている本を、タリバンについて知ろうとするとパキスタンについて書かれている本を…とキリがない。

しかし本書は上記のことはもちろん、パキスタンのISI(三軍統合情報機関)やパキスタンのインド脅威論、ソ連によるアフガン侵攻までの経緯、アフガン戦争後、アフガニスタン軍閥が跋扈した経緯など、タリバンアフガニスタンを理解するのに必要な情報が詳細に書かれている。

 

自分が本書を読むきっかけとなった著者の講演動画のリンク

リンク先:YouTubeの日本記者クラブさんの公式チャンネル

www.youtube.com

最近のアフガニスタンに関するニュースのリンク(VOAサイト内の記事へのリンク)

www.voanews.com

自動翻訳サービスDeepL翻訳はこちらwww.deepl.com

【海外のニュース】英語ニュース【自動翻訳サービス】

英語ニュースを自動翻訳サービス DeepLで読む

先日【DeepL翻訳】という自動翻訳サービスの存在を知り、無料版を使用し英語ニュースを自動翻訳してみたら、あまりの精度の高さにびっくりした。

英語ニュースは長い記事が多く、読むのに疲れるのでよっぽど興味のある記事しか読んでないのだが、このDeepL翻訳を使えば、こなれた日本語で読めるのだ。

手軽に英語ニュースが読むことができることに感動した。 

ニュースサイトに”言語を選ぶ”という選択肢ができて、どんな言語で書かれているニュースでも母語で読める日が近いと感じた。

こんなに自動翻訳の精度が高くなったら、紙媒体はともかく、ネットを利用したニュースサービスは激戦になるんじゃないだろうか。

数年のうちに品質の低いニュース(国内メディアに限らず、世界中のメディアが発信するニュース)は淘汰されて、正確で情報量の多いニュースサイトが生き残りそうな感じがする。

 

DeepL翻訳のサイト

www.deepl.com

個人的によく見るニュースサイト

VOA(アメリカ合衆国政府が運営するメディア)

www.voanews.com

BBC(イギリスの公共放送)

www.bbc.com

REUTERS(ロイター)

https://www.reuters.com/

デビルドッグ アメリカ海兵隊日本人伍長のイラク戦記/越前谷 儀仁著

デビルドッグ アメリ海兵隊日本人伍長のイラク戦記/越前谷 儀仁(えちぜんや よしひと)著

本書を読んだきっかけは「どうやって日本人がアメリカの軍隊に入るの?」と疑問を持ったからだった。

答えは本書に書いてあるのだが、著者である越前谷さんはグリーンカード(永住権)の抽選に当選し、アメリカへ渡り海兵隊の募集事務所で申し込みをしたからなんだけど、それが自分には衝撃だった。

著者は海兵隊に入りたくてグリーンカードを申請した。

他国の軍隊入りたいからと、永住権を取ってまで入隊する人がいることに本当に驚いた。

海兵隊募集事務所の先任軍曹も、入隊申し込みまでの経緯を聞いて「マジで正気か?それは確かなのか?」を何度も連発したと書いてあるから、珍しいケースなんだろう。


本書の構成は以下の通り。

はじめに

序 章 激戦の地ファルージャ

第一章 陸上自衛隊に入隊

第二章 アメリカ軍に入る夢

第三章 地獄のブーツ・キャンプ

第四章 52日間の歩兵訓練

第五章 1回目のイラク派遣(バビロン)

第六章 2回めのイラク派遣(ファルージャ

第七章 名誉除隊

おわりに

本書を読んで、個人的に衝撃だったことを少し書きたいと思う。

汚い話(トイレ関係)だと思うので、苦手な方は読まないで欲しい。

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【雑感】足の爪切り(巻き爪)

足の親指の爪切り

数年前まで、足の親指の巻き爪(軽症)で悩んでいた。

自分の巻き爪は靴が原因と思い込んでいたのだが、爪切りの仕方が間違っていた。

私は手の爪と同じように、深爪にし、しかも巻き爪が痛いからと爪の両端をヤスリで削って丸くしていたんだけど、これが間違いだった。

 

食い込んでいく巻き爪が痛くて、爪切り以外にもなにか対処方法があるんじゃないかとネット検索をしたら、間違った爪の切り方をしていたことに気づく。

「スクエアカット」という四角になるように爪を切るのが巻き爪予防になると知る。

正しい爪の切り方を知ってから、巻き爪に悩まされることがなくなった。

 

KSB瀬戸内海放送さんの情報番組で、巻き爪予防のための正しい爪の切り方を見つけたのでリンクしておきます。

リンク先:YouTubeのksb5chさん公式チャンネルの動画

 

www.youtube.com

【読書】自民党と戦後史/小林英夫著

自民党と戦後史/小林英夫著 2014年発行

本書の目次

はじめに

プロローグ   戦後政治の概観と自民党

第一章   戦後民主化と政党活動の開始

第二章   自民党の誕生

第三章   高度経済成長の準備と安保闘争

第四章   高度経済成長の時代

第五章   安定成長への模索と田中支配

第六章   自民党の衰退、下野

第七章   55年体制の崩壊

第八章   野党から再び与党へ

おわりに

 

タイトルと目次から分かるように自民党について書かれている本。

第八章にちょっとだけ民主党のことが書かれている。

本書を読んだ理由は「自分の国の政党のことなんにも知らないな」と思い、反省したこと。

政治ジャーナリストや物書きをしている方たちが、ラジオやネットなどで昭和・平成の政治の話をしていても分からないことが多かったが、この本のおかげで少しは理解できるようになった。

 

本書は戦後すぐの東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)内閣から、第二次安倍政権までの政治を231ページ(単行本)という限られたページ数で記してあるため、特定の誰かや何かを深く掘り下げるということはしていないが、歴代首相や自民党のことを網羅的に知ることができると思う。

クリーン三木と言われた理由や、田中角栄による自民党支配、中曽根政権時の日米半導体協定の締結による影響とか、初めて知ることが多かった。

あと読んでて感じたのが、満州人脈と官僚出身(岸信介・池田隼人・佐藤英作・宮沢喜一中曽根康弘など)の首相の多さと、世襲議員が多いこと。

 

自民党は与党のイメージが強いけれど、2回下野していて、そのことについても書かれている。

一回目は1993年の細川連立政権誕生時、二回目は民主党政権の時。

与党の座を奪われても、取り返すことが出来るのはやっぱり”党”としての力が強いからなのかな。

本書は第二次安倍政権が始まって1年経過した頃に発売された本なので、スガ政権のことは記されていないが、やっぱりこれからも自民党による国政がずっと続いていくのだろうか。

黙って働き笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選/里中哲彦著【読書】

黙って働き笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選/里中哲彦

本書はおもに昭和8年から昭和18年までのスローガンが収載されている。

昭和8年は国際連盟から脱退した年で、昭和18年はガダルカナル島の撤退や、アッツ島守備隊玉砕の年。

 

著者は本書に載っているスローガンについて、こう書いている。

”これらは、当時の「時代の空気」を生なましく伝えるものとして、昭和史の貴重な資料ということもできよう。”(本書の”おわりに”から引用)

 

本書に載っている戦時下のスローガンと、ミニコラム(スローガンごとに時代背景などを説明している)を読むと、戦中の暮らしがいかに大変だったか分かる。

例えば昭和16年のスローガン”任務は重く 命は軽く”とか、どんな気持ちで当時の人たちは、このスローガンを読んだのだろうかと考えさせられる。

身内を戦地へ送った人たちの気持ちを想像してみると、当時の空気はそうとう残酷だと感じる。

ちなみに昭和16年は真珠湾攻撃の年。

あと”粗衣で頑張れ 粗食でねばれ”とか庶民が着る物や食べ物に困ってる様子が目に浮かぶ。

これも昭和16年のスローガン。

昭和15年のスローガン”屑も俺等も七生報国”は”屑も俺等も”のところが非常にひっかかるスローガン。

(「七生報国」とは七たび生まれかわっても、国のために報いるという意味)

昭和15年は日独伊三国同盟を締結した年。


本書の最後に、年表と出典が載っている。

特に年表が興味深く、昭和15年3月に内務省が「敵性語追放」に着手し、外国風の芸名をつけている芸能人に改名要請をしたとか、昭和16年5月に「肉なし日」が実施されたとか載っている。

この本に載っている国策スローガンを読んでいると、まるで遠い国の話のように感じるが、自分のじいちゃん、ばあちゃんはこのスローガンを読んでた世代なんだよね…そう考えると昭和前期を近くに感じる。

もう中古しかないみたいだけど、戦時国策スローガンに興味のある人にはいいかもしれない。